CAST COMMENT
〜キャストコメント〜
親鸞 役/ 石坂浩二
こんな大きな哲人を演じるのは初めてです。素晴らしく美しい画面に負けぬように声で表現する難しさを感じました。ましてや、あの親鸞の言葉です、声優の方たちに溶け込むことができたのか心配です。そして、時代感、人間一人一人がまだ強かった時代を、上手く滲ませることができたのかも心配しました。作品は素晴らしいものです。どうぞよろしくお願いします。
唯円 役/ 増田俊樹
● 今回、増田様が演じられた唯円は、迷い悩みながら師である親鸞聖人に教えを乞う役柄です。演じる中で、特に苦労された点、工夫された点を教えてください。
純朴でありながらも探究心を持った青年像を意識しました。常に自身と向き合い考え続けることで、教えをさらに深く知っていく彼らしい直向きさを演じるように心がけました。
● 映画「歎異抄をひらく」は唯円の青春ストーリーであり成長の物語でもあります。唯円のセリフ、あるいは親鸞聖人のセリフで、発見したことや気づかされたことがあれば教えてください。
「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」
この話を知らないうちはこの言葉の意味を知ることはなかったと思います。特に聖人による善人という言葉の使い方は他と異なる部分もありますから、知るとまた言葉の大切さ、深みを感じることができます。
● 観客の方に、本作のどんなところを観てもらいたいですか?
この作品の唯円たちの生き様を見ていただき、彼らの生き方を感じ、観ていただいた皆様の生き方に少しでも変化が生まれるとうれしいです。考え方ひとつ変えるだけで世界のあり方が変わります、そんなひとつのきっかけになるとうれしいです。
壮賢 役/ 細谷佳正
● 本作での役を演じる中で特に苦労された点、工夫された点は?
物語の主人公である平次郎が、親鸞の教えに対して深く思考し、じっくりと答えを出して行動に移していく慎重で知的なタイプだったので、その静的な雰囲気が引き立つように、また、静的な平次郎の雰囲気が前に出るように、『まずは行動してみる』という動的なキャラクターとして壮賢が存在できたらいいなと考えていました。
● 演じる中で発見したことや気づかされたことは?
今、変化の激しい時代を一人の大人として生きていかなければいけない自分にとって、知識人の言葉や思想を、自分の中に取り入れ、それを自分の意思で取捨選択し、『人間的な強さ』を手に入れることは必須だと感じています。僕もこの物語の中の少年たちにとっての親鸞のように、本や映画、先人の言葉に意識を傾けてきましたし、今もそれを吸収しながら生きています。僕自身は少年たちのように純粋に1つのものを信じ続けることができず、自分が良いと感じる多くのことから良いところを取捨選択し、自分に取り入れていますが、『自分以外の何かに対し〈ある回答〉を求める』という行動は、少年少女が大人になっていく中で通っていくことなのだろうなと、アフレコをしながら思いました。
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
物語の中の『時代』だと思います。
権八 役/ 市来光弘
● 本作での役を演じる中で特に苦労された点、工夫された点は?
権八は、教えを説くわけでも、学ぶわけでもなく、気持ちに流されるままに行動してしまうキャラクターなので、難しいことはあまり考えずに、周りの人のセリフを聞きながら素直に演じることができたと思います。
●演じる中で発見したことや気づかされたことは?
全ての人間が悪人、悪人こそ救われるべき……という言葉には考えさせられるものがありました。悪人が最終的に救われる、という作品は数多くありますが、「悪人こそ」というのはなかなかないので、印象に残っていますね。
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
今回出演するまで『歎異抄』というものを知らなかったのですが、調べてみると歴史が深く、いろいろな研究がされていることを知りました。難しい題材ではありますが、アニメーションになることによって、理解がしやすいものになったのではないかと思います。あまり難しく考えずに、目と耳で素直に楽しんでいただけたらうれしいです。
アサ 役/ 本泉莉奈
● 本作での役を演じる中で特に苦労された点、工夫された点は?
純粋無垢で無邪気な少女時代と、成長し再会した時との差が出るよう意識しました。環境や境遇とともに変化していく彼女の思いを感じていただけたら幸いです。
● 演じる中で発見したことや気づかされたことは?
物事の見え方や感じ方は、考え方ひとつで違うものにもなりえるのだと改めて感じました。日々変化していく環境から受ける影響は大きなもので、そこから何を信じて何を選ぶのかを自分で決める信念はとても大切だなと思います。
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
観ていただいた皆様にはぜひ「幸せ」とは何か、改めて見つめ直す機会にしていただければと思います。この作品を通して感じたものが、日々の生活の中で少しでも良い影響に繋がればうれしいです。
明法房 役/ 伊藤健太郎
● 本作での役を演じる中で特に苦労された点、工夫された点は?
僕が演じさせていただいた役は、出自が特殊なものでしたから(笑)、穏やかな中にも、かつてのワイルドさが見え隠れするように意識しました。
● 演じる中で発見したことや気付かされたことは?
僕自身、今作で初めて『歎異抄』に触れたものですから、新鮮でした。長い年月読み継がれてきた書物には、先人たちの知恵と教えが詰まっているのだなぁと、改めて感じることが出来ました。
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
純粋にアニメーション映画を楽しんでもらいながら、今まで自分が触れたことのない教えや物語を知ってもらえるいい機会になればと思います。肩の力を抜いてご鑑賞ください!
慧信房 役/ 三木眞一郎
● 演じる中で発見したことや気づかされたことは?
自分の未熟さです。
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
『歎異抄』をわかりやすく、その上で登場人物たちの成長物語にもなっておりますので、あまり構えずにご覧いただければと思います。
燈念 役/ 白井悠介
● 本作での役を演じる中で特に苦労された点、工夫された点は?
最初、燈念は唯円のことを気にくわない後輩として少し意地悪な態度をとるのですが、悪くなりすぎないように気を付けながら演じさせていただきました。そしてその後の燈念の心情の変化もお見逃しなく!!
● 演じる中で発見したことや気づかされたことは?
仏教を背景に若者たちが衝突したりすれ違ったりすることによって絆を深めていく姿を見て、自分にはあまりなかったことだなぁと過去の自分を思い返しました。僕は人付き合いがあまり得意ではないので、これからはもっと積極的に人と接するようにしたらいいかなと思いました!
● 観客の方に、本作のどんなところを見てもらいたいですか?
唯円がどのようにして大人へと成長していくのかが見どころです! そしてその道中で出会う人々がどう影響を与えていくのかも見どころだと思います!